本日、大阪市内にて第3回藤本義一文学賞表彰式を行いました。
二週連続での台風襲来で気をもみましたが、
風こそ強いもののお天気も回復しほっといたしました。
今年も全国各地、海外からもご応募ありがとうございました。
616篇の作品が寄せられました。
毎回応募してくださる方も多く、本当にうれしく思います。
キーワードが「虫」ということでしたので、
たくさん読んでいるうちにちょっと気分が悪くなってきた、と
苦笑される選考委員の方々が選んでくださった作品からさらにしぼられ、
個性ゆたかなお話が詰め込まれた作品集ができあがりました。
前回までと同じく、審査員の先生方の講評は書籍の方に掲載しておりますので
ぜひお読みいただきたく思います。
年明け早々、1月10日の発売となりますのでどうか楽しみにお待ちください。
文学賞の話になると、
選考はどのような方がしているのだろうということがとてもよく話題に上がります。
文章に精通している方であることはもちろんですが、
「こういう作品は藤本さんが好きそうだ」
という観点で作品をみてくださる方々にお願いしています。
お話を考えるとき、取材は欠かせないことですが、
父は徹底的にそれをする人だったようです。
そう思ってみると、今回の9つの作品はいずれも(前回、前々回もですが)、
取材しないと書けないマニアックな部分が結構な頻度で登場しています。
それと、「物語には切なさがいるんや」と、
父は心斎橋大学で教えるときに生徒さんによく言っていたそうです。
大阪人であり、商人ものを多く書き、11PMにも出て・・
という見かけではありましたが、
人に囲まれていてもいつもなぜかどことなく寂しそうな人だったと私は思います。
作品としては、意外とさらっと読めて、ラストがじわりとくるものが多い印象です。
このあたりも文学賞攻略(?)の参考にしていただければと思います。
「書き続けるんやで」という父の言葉を借りて、締めくくらせていただきます。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。
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