10月30日、大阪市内にて5回目の表彰式を無事終えることができました。後半の蟻君忌(ありんこき/藤本義一を偲ぶ会、
といっても飲んで食べて余興もあり、のにぎやかな会ですが)に先だって、100名ほどの方々が見守るなか、式は進行します。
メールや電話で何度かやりとりさせていただき、こんな感じの方かなと毎年勝手に想像し、わくわくした気持ちで当日を
迎えるわけですが、文章を紡ぎ出す方独特の空気をみなさんまとっておられてとてもうらやましい気持ちになります。
なかなかゆっくりとお話しする時間がないことが残念ですが、受賞者さん同士が楽しそうにお話しておられる姿を見て、
今後の創作活動につながる機会になればこんなにうれしいことはないと思うのです。
作品集の発売は年明けになりますが、ぜひ読んでいただきたい作品ばかりですのでどうか楽しみにお待ちください。
さて、今回のキーワードは『風』としました。
炎のようなと評されることの多い父ですが、父親としての藤本義一(本名はふじもとよしかずです)は
そうではありませんでした。小さい動物や日常のちょっとした風景がお気に入りだった父には『風』のほうがあっているかな、
というところから考えてみました。
毎年8月の半ばごろになると、発表はまだかという声がどこからか聞こえてきます。
A410枚の作品をお一人あたり100以上読んでくださる選考委員さん、
想像しただけで大変だとわかっていただけると思います。
10月末の表彰式の日に作品集を受賞者の方々にお渡しするため、その1カ月前には初回の校正を終わらせなければならず、
そうなると遅くともそのさらに10日前までには受賞者を決定する必要があり、最終選考の審査員さんに
原稿の束をお渡しする日はそれよりもさらに・・とさかのぼっていく感じで選考の日程が決まります。
それならば、選考委員さんは締切日まで待たずに到着順にどんどん読んでいけばいいじゃないかと思われるかも
しれませんが、それがそうはいかないのです。
ほとんどの方が締め切りぎりぎりまで推敲を重ねられるようなので、締切日の数日後が到着のピークになります。
今回の応募総数は432篇、到着順に通し番号をふるのですが、200番の方の消印は7月17日でした。
そして、毎年の繰り返しになりますが、今年は没作品が25篇ありました。横書きであったり、
20字×20行×10枚であったり、原稿用紙の体裁であったり、ぱっとみて規定どおりでないことが
わかるものが結構多いのはなぜでしょう。
今回のある受賞者の方は、間違えていないか、作品以上に規定は何回も何回も見るんだと言っておられました。
時間をかけてしあげた作品、入賞するかなとみなさん期待して発表を待っておられると思いますが、
まさか選考の前の段階で自分の作品がとまっているなんて誰も考えもしないでしょう。
これはどの文学賞にも共通することだと思います。どうか細心の注意をお願いします。
最後になりましたが、文頭に、無事第5回の・・と記したとおり、文学賞の運営の難しさというものが
実は少し明確になってきました。
年を追うごとに本当にすばらしい作品が増えてきています。
ここでふんばってぜひこれからも永く続けていきたいと思っておりますのであたたかく支えていただけたらうれしいです。
今回も多数のご応募、本当にありがとうございました。 |